緊急事態宣言を受けて | 佐野市スポーツ協会

緊急事態宣言を受けて

 昨年の今頃、来年は新型コロナウイルス感染症がほぼ収束し、オリンピックが無事実施され、日々のスポーツ活動が元通り出来るようになっているであろう、と多少の不安はありながらも期待が9割の思いでいたことが嘘のように、今回「緊急事態宣言」発出を聞いてしまいました。
 不要不急の外出は慎みあらゆる活動を自粛せよ、とのことですが、これほどまでにウイルスが強靭で悪意に満ちたものであるとは想像を超えています。我々はこれまでも命と健康を守るため我慢を強いられてきましたが、天の声はまだまだだと言っているようです。
 以前からこういう類いの感染症は度々発生していました。しかし科学の発達した現在、その規模や期間がまさかこれほどまでになるとは、誰も予想していなかったと思います。

 心配なことは我々のスポーツ活動が今後どうなってしまうのかということです。前回も申し上げましたが、人の行動意欲(モチベーション)は容易に長時間維持できるものではありません。日々の活動の中で、今回のイベントはどうだったか逐次PDCAサイクルを駆使しつつ改善を図り、次へのステップに繋げてきました。しかし長い間、このサイクルが途絶えると意欲が減退するだけでなく、人はその場から離れ(逃避し)組織も活動も沈滞してしまうことが怖いのです。一昨年の台風19号襲来以降多くの活動が休止または縮小され早2年が経とうとしています。競技の特性で(室内か室外か、身体接触を伴うか否か)少しずつでも活動を継続出来ているものは、復活する力を蓄えていますが、活動停止を余儀なくされているものは、いざという時その再スタートへの重さが思いの外きついものとなります。
 では、どうしたらいいのか。今、何をどう考え行動したらモチベーションを維持・喚起しうるのか。それは容易なことではありませんが、組織として取り組んでいかなければならない極めて大切なことです。
 我々の目標である市民の健康づくりや体力の向上そして地域や仲間との絆をしっかりと守るためにもこの未曽有の事態を我慢と工夫で乗り越えていきましょう。

令和3年9月1日 スポーツ協会会長 阿 部   茂