令和5年の年頭に当たり 佐野市スポーツ協会会長 阿部 茂 | 佐野市スポーツ協会

令和5年の年頭に当たり 佐野市スポーツ協会会長 阿部 茂

新年明けましておめでとうございます。皆様方には清々しい新年をお迎えのこととお喜び申し上げます。

昨年は42年振りの「いちご一会とちぎ国体」が開催され、佐野市の会場でも多くの皆様にご支援ご協力をいただきました。私も総合開会式を始め各会場に足を運び、観戦を兼ね応援をして参りました。そこでは、全国のスポーツを愛する選手たちがひたむきに勝利を求め競技する姿に感動を覚え、スポーツの持つ魅力を再認識すると共に私たちも早く元通りの活動が出来るようにしていきたいと痛感しました。

ただその中で残念に思うのは、前回の国体に比べて色々な意味で盛り上がりに欠けていたのではないかということです。コロナ禍の影響があるにせよ、現状では多くの県民が国体どころではないと受け止めていたのか定かではないが、少なくても私には昭和55年「栃の葉国体」の県民全体で創り上げるという気運が強く印象に残っています。

年頭に当たり佐野市スポーツ協会の現況を鑑み、3年以上にわたる諸活動の停滞を打開しこれから我々の進むべき方向性を考えてみたいと思います。悔しいことですが昨年と同じようなことを書いてしまったらご容赦願いたい。

●このままでいいのか、これからどうするのか
3年前からスポーツ協会の事業が滞っています。昨年は4年振りの「市民駅伝」の開催を計画したところ参加支部が少なく中止を余儀なくされました。残念というしかありません。規模を縮小して一チーム5人のチーム編成でしたが、14支部中参加申し込みが4支部という寂しさでした。県内外で多くの駅伝競走大会が復活している現状を考えると寂しい限りです。

このことはコロナの影響だけではないと思います。おそらく各支部とも陸上関係者に協力を依頼し手を尽くしたが選手が集まらなかったというのが実情だろうと思います。つまり、3年間の行事中止が仲間との意思疎通や選手自身のモチベーションの低下を招き、練習不足から参加を渋るようになったのではないかと思います。

専門部(競技団体)の事業が少しずつ復活している現在、支部活動がイマイチ前向きでないように思えるのですが、支部組織は一体どう考えどうしようとしているのか、どのような状況になったら活動が再開できるのか不安が募ります。

昨年、多くの専門部が中止になった市民体育祭の代替え事業を実施し、再開に向けて前向きの姿勢が感じられましたが、地域では2つの支部が地区運動会とソフトボール大会を開催し住民の意欲喚起に努めてくれたに留まりました。各支部が自分たちで積極的に企画し地域を盛り上げたいという矜持が欲しいところです。

●今までに築き上げたものは新しい時代に不要なのか
私は(旧佐野市ですが)小学生の頃から体育祭等に出場してきました。社会人となってからは専門部長として市民体育祭に関わり、市町合併後もスポーツ協会に微力ながら尽力してきたつもりです。

よく聞く話ですが、昔の支部体育祭は地域の一大イベントであり、その活動がスポーツの振興と健康づくりさらには地域づくりに大いに寄与してきたということです。

市民が一堂に会した「市民体育祭・陸上競技の部」があります。県内でもこれほどの地域スポーツイベントは他に類を見ません。しかし、最近は人口減と地域のイベントに対する関心の低さで人集めが困難であると耳にします。確かに少子化・高齢化の事実には抗する術がありません。しかし、今までもそうであったように内容や形態を工夫しつつ可能な実施方法を模索しながら継続することは可能だと思うのです。

少子高齢化、スポーツ嗜好多様化の中でこれからスポーツ協会はどう変わるべきか皆さんと協議しながら改善を図っていく所存です。

●中学校「地域部活動」への移行とスポーツ協会の対応
今話題になっている中学校部活動の地域移行は我々スポーツ協会にとっても、喫緊の課題である。それは、単にスポーツ庁や文科省が唱える「部活動」が地域のスポーツ団体や事業所に委託されるからということだけでなく、その理由である教員の働き方改革と少子化への対応が我々スポーツ協会の課題と重なるからである。

つまり、高齢化とスポーツ志向の多様化による組織の弱体化という懸念である。

残念ながら、我が専門部(競技団体)は先見性を持ってこのことに対処してきているから心配ないと自信を持って言えるところがどれだけあるでしょうか。学校の生徒数と同様に競技人口は間違いなく減ります。団体競技はもちろん個人競技にしても死活問題となるでしょう。待ったなしです。